ハイマツ帯

たまに更新できればいいな

河童

 3日に京都に帰ってきて、今まで様々なことがあった。記憶にあるものを記録しておく。

 

 まず4日に、後輩cedarに会った。彼が来年度に出す新歓計画についての話をしたのだが、その後当然のようにそのまま部室で酒を飲んだ。色々な話が出て面白かった。特に面白かったのが、cedarが自分の新歓計画に女子が参加しないようにするにはどうすれば良いか非常に悩んでいるということだった。この人付き合いの苦手さに共感して同情してしまった。

 我がサークルにも僕が(一応)引退する時に合わせてなぜか女子2名が入り、他の人に「うちは隣のさん@ioうあghの会と違って男女比1:0ですよ。なにせ出会い系じゃないですからね」などと言えなくなった。まあ当然彼女らはきれいなグループなので我々とはあまり関わりが無いのだが。……

 この相談に対しまともな先輩なら「そうやって人を避けるのは良くない。がんばって交流してみなよ」などと言うところだが、僕はひどい先輩なのでどうすれば体よく参加を断ることができるかという話を熱心にしていたのであった。

 

 9日には経済学部の初ゼミがあった。インドネシアとマレーシアの方がいらっしゃり、僕がなぜかプレゼンターをやることになったので微妙に疲れた。プレゼン自体は適当に喋るだけなのでなんとかなるが、質疑応答はいまいち英語が聞き取れず意味不明な場面が多く大変だった。とりあえず理解した雰囲気を醸し出しつつなんとか無事に終えた。これで僕の発表は終了、ゼミもついに残り1回である。4年間色々なことがあったものだ。次回、教授が最後の機会ということで今までの恨みを晴らそうと襲いかかってくるだろう。くれぐれも気をつけたい。

 

 13日には農学のゼミに行ってきた。こちらは相変わらず准教以外に話す相手がいない他に特筆することも無かった。ゼミが終わり次第、最近山に登れていないので大文字山に行ってきた。相変わらずしょぼい山だけど結構気持ち良いところだ。景色はすごく良いので、京都にいらっしゃった方は一度登ってみると良いと思う。特に夜登ると楽しい(道案内します)。

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 帰ってきて夕方家でボケェとしてるとお誘いがあり、謎の会合に参加した。晩御飯などご一緒にして楽しかった。ありがとうございました。この時「ちょろい奴だよね」と言われ、多少自覚はあったが改めて他人から言われるとう~んやはりちょろいのかとちょっと考えることになった。実際ちょろいと思う。……

 

 あとごちゃごちゃあったが省略する。ところで帰省した時に芥川龍之介の本を京都にいくらか持ってきたので最近ちょくちょく読んでいる。芥川龍之介は好きだ。と言いつつ大学に入ってからずっと読んでいなかったが……。ちなみに芥川龍之介をはじめて知ったきっかけは小学生の時、NHKラジオの朗読番組である。その時は「杜氏春」が放送され、そのせいでしばらく「芥川龍之介という人は心温まる優しい作品を書く人なんだなぁ」とか思っていた。

 好きな作品の感想をごく簡単に書いておく。

 

杜氏春」・・・前述の理由から印象的な作品だ。仙人も杜氏春も純粋でありえず、その結果杜氏春が救われているのがすごく気持ちよくて、にこやかになってしまう。愛の勝利。本筋とはあんまり関係無いが、最後の仙人の台詞に「今頃は丁度家のまわりに、桃の花が一面に咲いているだろう」という一文があり、これによりきゅっと場面が爽やかに華やかになっている気がするのだがいかがだろうか。中国の明るい場面といえば桃の花、まあ中国で桃の花見たこと無いけど。

 

「蜜柑」・・・ごく短い作品だが、電車内でのほんの短い間の出来事における主人公の心の動きが、風景と合わせてとても鮮やかに描きだされていて、なかなかやるじゃないかという作品だ(何様だ……)。冬の曇った暗い空気の中に鮮やかな蜜柑が放り出されたのと対照して、退屈で憂鬱とした主人公の心に微かに光が灯るのが主題でそれはとても良い。が、それを抜きにしても、冬の鬱屈した空気に蜜柑が輝くその風景自体がとても好きだ。最近の小説ではそういう類の感動を覚えることがあまり無い気がする……と思うがそもそも小説をそんなにいっぱい読んでるわけでは無いのでその件への言及はやめる。青空文庫で読めるし、とても短い(文庫本5p)のでぜひ読んでみてほしい。

 

「歯車」・・・遺稿。自殺前の、精神病によりだんだんと追い詰められていく心境が記された、日記のような小説。昔からこの作品が好きで、特に話の筋も無いのになにが好きかは判然としないが、多分その生々しい迫力が好きなんだと思われる。最後の一文は理屈じゃなく、ぞくりとくるものがある。その最後の一文とは一体なんなのか!?というと青空文庫にある。

 

 あまり偉大な作家についてありきたりなことを書いたり的外れなことを書いたりすると恥ずかしいので、もうやめておく。文学についてはあまり詳しく無いけど、色々話すのは嫌いでは無いので話を振ってもらえると多分喜ぶ。

 

 

 長いのでもう終わる。