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ハイマツ帯

たまに更新できればいいな

北アルプス①

 記憶の無くならないうちに北アルプスに行った時の記録を書いておこうと思う。やたら長くなってしまった上に多くの人にとっては興味の無い内容だと思うので、適当に流し読みでもしてもらえれば幸いだ。

 

9/26

 松本に前夜泊して一日目。朝4:45の電車に乗ろうとて3時くらいに起きたが、駅に行ってみたところなんとその電車は翌日にしか無いということが判明して自分のあほさに愕然とした。結局6時半まで待つ。朝日が昇ると空がどんどん青くなってきて今日の行程への希望が湧いてくる。

 電車からバスに乗り換え島々で降りる。ここで降りたのは僕だけで、あとは大半が上高地まで行ったものと思われる。北アルプス南部に行くルートとしては上高地が一番メジャーであり、島々からのルートを行く人はまれである。なにせ歴史のあるルートとは言え、沢沿いの展望の無い道を延々とだらだらだらと歩かねば主稜線までたどり着けない暗い道なのだから。なぜ僕がかような古臭いルートを選んだかと言えば、それはもちろん「どくとるマンボウ青春期」で北杜夫がこの道を歩きようやくに穂高の姿を見るシーンが大好きだからだ。まあアニメの舞台探訪みたいなものだ。

 沢沿いに黙々と登っていく。渓流は涼やかで、森はまだかろうじて夏の気配を残している。疲れると沢に降りて顔を洗ったりするが、さすがにキンとする。途中3人ほど抜かし、降りてくる老人partyとすれ違った他には人気も無い。暇なので歌など歌いながら歩く。いちごコンプリートが良かった。あとまじもじるるものOP曲もループしまくる。帰ったらぜひCDを買おうと思った。

 道は沢を外れいよいよつづら折れの道となり、息を切らせたびたび立ち止りつつ登っていく。この辺まで来るとだんだん黄葉が始まっている。なんなんだこの道はとか思い始めたところで稜線が見えはじめ、根性で登っていくとついに徳本峠にたどりついた。一気に視界が開け、穂高の威容がその姿を現す。穂高自体は何度も見てるけど、徳本峠から見る穂高はやはりかつてなく巨大で圧倒的なものであった。しばし放心してニヤニヤしつつ眺めていた。

 テントを張ってると白人男性に話しかけられうちの宿に来なさいと言われるという事件があった。とりあえずテント内に荷物を散らしてミニトマトをつまみにワインを飲み始める。ミニトマトは本来二日目まで残しておく予定だったがあまりにおいしいのですべて食べつくした。ここら辺の適当さは単独ぽい。晩飯はウインナー80gを粉末トマトスープで煮たものとロールパン3個。この粉末スープは家にあったやつで、いつ買ったかまったく思いだせないのだが、やたら酸っぱい上に具が全部切り干大根みたいだった。トマトスープに切り干大根が入ってるはずが無いし謎である。この日は1時間半睡眠でふにゃふにゃだったので17時には気絶した。

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9/27

 3時起床。この日はかなり長い行程である。登山地図によると12時間半かかるらしいがまあそれはなんとかなるやろということにしておく。朝はロールパン3個。霧がひどすぎて何も見えないので5時過ぎまで待ってから出発する。

 最初はひたすら暗い針葉樹林の森だ。人気の無いルートで人も全然いない。日も差さずなんとなしに不安になってくるが、無心で登る。1時間ほどするとかなり晴れてきて素晴らしい快晴となる。大滝山の前まで来ると南の空に雲海が広く見られ、また紅葉もとてもきれいだ。道はひたすらに明るくきれいで、どんどん楽しくなってくる。大滝山のあたりでは展望が開け、今日行くルートがはっきり見えた。あそこを行くのか。悪くない。しかしめちゃくちゃ長いように見える。実際長かったのである。

 蝶ヶ岳に着くとさすがに人気の山とて人がいっぱいいる。この時若い女性とおっさんの二人partyがいたが微妙に変な雰囲気だった。このあたり稜線はひたすら広くきれいで、歌でも歌いながら歩きたいところだったがこの頃すでにかなり疲れてきていた。目的地の常念岳がとてつもなく巨大に見える。

 目的地はまだ遠いのでひたすら歩く。紅葉がきれいで、遠くに見える槍ヶ岳穂高、そしてはるかなる稜線がまさに天上の散歩といった情景を作り出していた。この間いっぱい人とすれ違う。どこから歩いて来たんですかなどとよく聞かれたのだが、徳本峠から来たんですよと言うと、みんな「そんなところから・・・珍しい・・・!?」とか「う~ん・・・渋いっ!!」みたいな反応をする。内心「へへ・・・もっとほめて・・・」などとにやついていたのだが、後で冷静になって考えてみるとあれはほめているのでは無く、なんでそんな変てこな道を行くんだろうこの人大丈夫かしらと怪訝に思っていたのだと思われる。

 常念岳の登りはひたすら急なガレを登っていく。一日の終わりにこの登りはきつすぎる。登っては休みつつ歩いては止まりつつじりじりと高度を稼ぎ、ふらつきながら15時頃についに山頂についた。ここは人がいっぱいいて、どこから来たのか聞かれるかにゃ・・・ふふ・・・とか思っていたが残念ながら僕に興味は示す人はいなかった。正直もう疲れ果てていて景色を楽しむ余裕も無い。しかも看板を触ったらいいきなり倒れた。

 足に響く下りをこなしてテント予定地についたのは結局16時前になった。この日の晩はウインナー80gをコンソメスープで煮たものとスティックパン×3。まずくは無いが、まあ・・・ラジオを聞いてたら御岳の噴火の話をしていた。この日はひたすら疲れまくって酒を飲む余裕も無かったので早々に寝袋に入ったが、なんとなく寝つけない。夜がふけてからテントを出てみる。雲が厚く星は見えないが、東の方角を見ると安曇野の町の光がキラキラ光っているのが見られる。ほのかで、それでも明確に主張するその様子を見ていると、あんなに近くに町があるのにまったく違った世界にあるのが不思議な感じがしたし、何より降りたくて仕方なくなった。怠け切った体には今日の行程はかなり堪えていて、もうテンションも下がりきってしまっていた。ひたすらに下界が恋しい。

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